| 鉱物 (書物の王国) | |
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各巻異なるテーマを掲げ、そのテーマに沿う物語、詩、エッセイなどを収録するシリーズ「書物の王国
収録作品は以下の36作。
・「石の夢」 澁澤龍彦
・「貝の火」 宮沢賢治
・「水晶物語」 稲垣足穂
・「異石」 杜光庭『録異記』、岡本綺堂・訳
・「石髄の話」 葛洪『神仙伝』、飯塚朗・訳
・「狐の珠」 戴孚『広異記』、前野直彬・訳
・「石を愛する男」 蒲松齢『聊斎志異』、増田渉・訳
・「巡礼のひとりごと」 ヴォルケル、栗栖継・訳
・「石の女」 ピエール・ド・マンディアルグ、生田耕作・訳
・「食べる石」 種村季弘
・「産む石」 種村季弘
・「石中蟄龍の事」 根岸鎮衛『耳嚢』、須永朝彦・訳
・「懐中へ入った石」 『梅翁随筆』、須永朝彦・訳
・「動く石」 柴田宵曲
・「室の中を歩く石」 田中貢太郎
・「サファイア」 寺山修司
・「水晶の卵」 ウェルズ、小野寺健・訳
・「博物誌より」 プリニウス、佐藤弓生・訳
・「フィシオログスより」 作者不詳、梶田昭・役
・「雲根志より」 木内石亭、須永朝彦・訳
・「鉱石倶楽部より」 長野まゆみ
・「白描・白描以後より」 明石海人
・「青色夢硝子」 加藤幹也
・「馬鹿石、泥石」 サンド、篠田知和基・訳
・「妖気噴く石」 石上堅
・「クマルビの神話」 矢島文夫
・「岩」 オマハ族の歌、金関寿夫・訳
・「石の花」 日野啓三
・「石の言語」 ブルトン、巖谷國士・訳
・「鍾乳石」 ガスカール、有田忠郎・訳
・「黄銅鉱と化した自分」 池澤夏樹
・「断片・続断片より」 ノヴァーリス、飯田安・訳
・「石」 西條八十
・「ファルンの鉱山」 ホフマン、種村季弘・訳
・「山の親方」 バジョーフ、佐野朝子・訳
・「青晶楽」 塚本邦雄
責任編者は高原英理。
澁澤龍彦の随筆から始まる、なんとも贅沢な本書。
氏の随筆は同じ書物の王国
他の作品も読みたいなとは思うが、今読んでしまうのは勿体ない気がする。もうちょっと私が知識を蓄えた後に読みたいな。
宮沢賢治、稲垣足穂はそれぞれ彼ららしい出来映えの作品。稲垣足穂の「水晶物語」は足穂らしい言葉の美しさと儚さが良いですなぁ。
マンディアルグの「石の女」が個人的に本書ベスト。
妙な女性賛美には血圧が上がるが、ここまで故意に、そして徹底的に偶像化されると途端に許容出来ちゃうなぁ。
ロマンを通り越して、少女趣味な気すらしてくるマンディアルグの他の作品も読んでみようかな。
ウェルズの「水晶の卵」は、SF風味。火星だとか何だとか言い出した時はちょっとビックリしたけど、この作者って『タイムマシン
書物の王国
長野まゆみの『鉱石倶楽部
綺麗な宝石を食べると綺麗になれるのだろうか。
あぁ、そういえば古代中国では永遠を求めて水銀を摂取してたりするわけで、その手の連想は昔から変わらず存在し続けている普遍的な考えなのかもね。
加藤幹也の「青色夢硝子」もなかなか好み。
冒頭の「月光が闇にしみ渡るような夜だ。」から、一気に物語に引き込まれてしまった。
人の見る夢は寝てる間に体から蒸発するんだ。質量と色もある。と言っても現実物質を量るやり方では量れないけど (p.115)
なんて「夢物質説」をブチ上げちゃうところなんて、素敵。最後のオチも、幻想小説の王道ですし。
この加藤幹也って作家に興味が湧いたのだけど、Amazon検索ではヒットしない。なんでもWikipediaによると、加藤幹也は作家・高原英理の本名だそうで、つまり二者は同じ人ってことで良いのかしら。
これが同じ人なら、Amazonさんがやたらと勧めてくる『ゴシックハート
日野啓三の「石の花」も凄い好き。
肉体労働でしかないはずの実験に、精神の問題が染みこむのは感覚として分かる。
排他的で完成された二人だけの世界に住まう夫婦の姿に、一種の理想を見てしまう。それはそれで社会的な生物であるはずの人間としては駄目なのだろうけれど。
ホフマンの「ファルンの鉱山」は『ドイツ幻想小説傑作選 ――ロマン派の森から
その後に収録されているバジョーフの「山の親方」が意外な展開でびっくり。
他にも刹那の生き物でしかない人間が、永遠に存在する鉱物に寄せる憧れと反感の随筆・エッセイもなかなかに興味深い。

タグ:本 感想 読書 鉱物 星3つ(★★★☆☆) 感想・個別 感想・個別・本 杜光庭 葛洪 戴孚 蒲松齢 イジー・ヴォルケル アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ André Pieyre de Mandiargues ハーバート・ジョージ・ウェルズ Herbert George Wells 梶田昭 澁澤 龍彦 宮沢 賢治 岡本 綺堂 飯塚 朗 前野 直彬 増田 渉 栗栖 継 生田 耕作 種村 季弘 根岸 鎮衛 須永 朝彦 柴田 宵曲 田中 貢太郎 寺山 修司 小野寺 健 佐藤 弓生 梶田 昭 木内 石亭 長野 まゆみ 明石 海人 加藤 幹也 ジョルジュ・サンド George Sand 篠田 知和基 石上 堅 矢島 文夫 金関 寿夫 日野 啓三 アンドレ・ブルトン Andre Breton 巖谷 國士 ピエール・ガスカール Pierre Gascar 有田 忠郎 池澤 夏樹 ノヴァーリス Novalis 飯田 安 西條 八十 E.T.A.ホフマン Ernst Theodor Amadeus Hoffmann パーヴェル・ペトローヴィチ・バジョーフ Pavel Petrovich Bazhov 佐野 朝子 塚本 邦雄 高原 英理 書物の王国 国書刊行会



